導入施設ご紹介

東京都町田市の『なかの整形外科・内科クリニック』をご紹介いたします。
内科の中野知子先生にお話を伺ってきました。

>> なかの整形外科・内科クリニック
http://www.kanja.jp/nakano-seikei/



Q 、クッキーテストを実施されたきっかけは?


A、私は、某会社の健康管理室でも以前より診察しておりますが、そこには、リポ蛋白に注目して研究や発表をしている臨床検査技師さんがいまして、食後のリポ蛋白も測定したいと話していたところ、求めていたものと合致する「クッキーテスト」を日本糖尿病学会年次学術集会の展示で見つけ、2006年から健診の精密検査に導入しました。
得られたデータの傾向も明確で、方針を立てやすいですし、患者様にとっても安全に、手軽にできるという点でメリットを感じたので、当クリニックでも取り入れました。


Q 、患者様にとってのメリットとは?


A、食品を負荷するので、安全に受けてもらえるところがいいです。精密検査が必要な方で、食事ができない方はいませんし、アレルギーさえなければクッキーは食べられますから。また、結果がA4サイズ1枚のレポート形式で、数値だけではなく、グラフもあり、色分けして判定基準も添えてあるので、わかりやすく、患者様のモチベーションがあがり、改善へ前向きに取り組んでいただけます。「生活習慣を改善したから、もう一度やりたい。」と言われる方も多くいらっしゃいます。
再度行うことで、改善や進行などの状況を経時的にみることができるのも大きなメリットです。


Q 、クッキーテストで得られたデータは、傾向や治療対策に生かされましたか?


A、これまでに、合わせて500例以上に実施しました。早期からみられる異常を挙げますと、食後の脂質異常やインスリン抵抗性、ならびに食後高血糖です。
空腹時よりも先に食後の異常が思ったより非常に多く出現することがわかりました。空腹時血糖やHbA1cが正常でも糖尿病であることもあります。また、食後血糖値が高い方は中性脂肪も高値であったり、インスリン抵抗性が出現していたりすることが多い傾向があります。具体的には、早期の段階で異常を発見し、改善できた例もありますし、発見できても、患者様の放置によって、数年後予想通り糖尿病となった例もあります。「どうしてもインスリン注射は嫌。」と拒否され、治療薬を直前に内服したまま負荷試験を行うことで、まだ、改善の余地があることがわかり、治療薬の変更で劇的に良くなった例もあります。クッキーテストを利用して、診断のみならず、治療の方針を決定した方が、より適切な選択ができるとの見解に至りました。


Q 、クッキーテストの実施方法は?


A、クッキーテスト.comのページ「クッキーテストの実施方法」と大体同じように行っています。
患者さんは負荷1時間後、2時間後の採血を受ける以外は、試験終了まで自由に過ごしていただいております。
簡易測定で、血糖の動きを0,60,120分と追い、終了後に仮判定として結果をお話し、詳細はインスリンや中性脂肪も出そろった1週間後にレポートでご説明することにしています。
これまでにクッキーテストを受けられた最高齢は80歳代前半の男性ですが、クッキーはもちろん残すことなく全部食べられました。


Q 、なぜ負荷試験にクッキーテストを選ばれたのでしょうか?


A、負荷後の脂質の動きをみることができるし、インスリン分泌量の多少もわかる、インスリン抵抗性もかなり詳細に判定できます。かつ、これらが安全に実施できること、が大きな理由です。一方、トレーランGでは、空腹時血糖が高めなだけでも危険を伴うので実施できないこともありますし、使用期限も思いのほか短く、最低注文単位が1ケース(20本)と多いため、使いづらいという難点があります。その点クッキーテストは1箱から注文できますので無駄がありません。トレーランGによる負荷試験の結果ともきれいに一致します。安全で簡単で得るところが多いからです。


Q 、これまでの経験から、今後クッキーテストはどのように使えればよいでしょうか


A、将来的には糖尿病の治療効果判定にも使えればいいですね。例えば、クッキーテストを行った結果によって患者様に薬を処方し、数か月後にドラッグオンで再度行い、治療効果を判定できればよいと。現在は、随時血糖とHbA1cで経過をみますが、食後血糖や、インスリンの分泌量や遅れ、これらの改善や悪化などは、CGMでもしないとわかりませんしレセプトも通りません。しかし、このように手軽にできるものを利用して、患者様により良い次の治療薬や方針を選ぶことができるようになればと思います。